Okazaki Institute
Book Review
潮 匡人『最後の理性―戦争は倫理的な行為である―』
出典:産経新聞「本」(2000年3月21日)
「正論」や「諸君!」をはじめとするオピニオン誌などにも頻繁に登場し、最も過激な若手論客として注目を集める著者の、記念すべき初の評論集。「人間は『正義』のために戦争をする」「軍事力は『最後の力』であり『最後の理性』である」と力説し、偽善的な反戦平和論を徹底的に排撃する。サブタイトルの「戦争は倫理的な行為である」が顕著に物語っているように、従来の価値観にとらわれない提言が満載。緊張の度合いを強める北朝鮮情勢や台湾問題では、中途半端な言論構成を何より嫌う筆法で、政府に「断固たる対応を取れ」と迫っている。過激ともいえる内容ながら、綿密な分析に裏打ちされているため、説得力は抜群だ。しかも、著者の批判の矛先は軍事問題だけにとどまらず、教科書問題、防衛政務次官更迭、オウム事件などにも言及。ゆがんだ現状を鋭く指摘する中で、朝日新聞や立花隆氏ら戦後日本の“知の巨人”に挑戦状をたたきつける。新世紀を目前に控えた今、言論界の変革を予感させるような必見の一冊といえるだろう。
データ:潮 匡人『最後の理性―戦争は倫理的な行為である―』は四六判上製3月刊行 /定価1600円
ISBN4-946515-47-X C0095 Y1600E
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